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■ もうすぐお祭り

ペペロの誕生日が近づくある日のこと

ペペロ「僕はもうすぐ10歳、大人なんだぞ!」

子供A「いいなー、もう一人前のインディオだね!」

子供B「お祭りだぁ、お祭り!」

長老「カルロスの息子ももう10歳か、早いものじゃ…。生まれたのがついこの前のことだった気がするがのう。」

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アニータ「今まで色々有りましたけど、これでやっと肩の荷が下りますわ…。」

長老「あとは、カルロスさえ帰ってくればのう…。」

アニータ「…。」

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アニータの回想

アニータ「何を言っているのあなた、エルドラドなんてあるかどうかも分からない所へ… しかも探しに行った人は誰一人帰ってこないって話じゃないの!まだペペロも小さいのよ、私一人でどうやって暮らせというの!」

カルロス「分かってくれアニータ、これはペペロのためでもあるんだ。次の日照りがくればこの村はもう持たないかもしれない。我々が生き延びるには何か手を打たなければ。エルドラドにあるという“インディオを幸せにする宝”があれば、日照りが来ても今までのように飢えて苦しむことも無くなるだろう。」

アニータ「だからってなんであなたが…」

カルロス「私が黄金のコンドルに選ばれたからだ。」

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アニータの回想(続き)

村人A「カルロスが黄金のコンドルを見たんだってよ!」

村人B「エルドラドに連れて行ってくれる伝説のあれか?」

村人A「長老の話ではエルドラドには“インディオを幸せにする何か”があるらしい。」

村人B「何かってなんだよ?」

村人A「それは長老も知らないそうだ。」

村人B「しかし、カルロスがそれを持ち帰れば俺達の村も楽に暮らせるようになるんじゃないか?」

村人A「それがそうも行かないんだ。アニータがカルロスのエルドラド行きに反対しているらしい。」

村人B「どういうつもりなんだ、アニータは。村が幸せになる折角のチャンスじゃないか。」

カルロスが黄金のコンドルを見たという噂はすでに村中に広がっていた。日照りで苦しめられた後だけに、神様の使いのごとく現れた黄金のコンドルにみんな大きな期待を寄せていた。
エルドラド行きを拒もうものなら私達家族は村にいられなくなるかもしれない。しかしだからといって…。


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アニータの回想(続き)

説得は夜更けまで続いた。あの人は昔から変に自信家で失敗することなんて考えもしない人だった。

でも私は怖かった。もしものことがあったら…。いえ、それよりも一人残されるのが怖かったの。


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アニータの回想(続き)

アニータ「…」

カルロス「困ったなぁ…」

途方にくれるカルロス。


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アニータの回想(続き)

ペペロ「大丈夫だよ母さん、ぼくが母さんを守るよ。だから心配しないで。」

アニータ「ペペロ…?!」

カルロス「…!!」


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アニータの回想(続き)

アニータ「そうよね、母さんにはペペロがついているのよね。寂しくなんかないわ、大丈夫よ。」

ペペロ「母さん…?」

カルロス「(頼もしくなったなペペロ。この子は近い将来、私の力になってくれるかもな。)」


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旅の支度をしているカルロス。それを手伝うアニータとペペロ。

アニータ「あなた、エルドラドを探す旅に出るのは良いんだけれど、一体どのくらいかかりそうなの?」

カルロス「…?」

アニータ「いつ帰るのかって聞いているのよ。」

カルロス「まあそうだな、ペペロの10歳のお祭りには間に合わせないとなあ。」

アニータ「まあ呆れた、7年も先の話じゃないの! そんなにかかるの?」

不安になるアニータ。

カルロス「冗談だよ、1年ぐらいで戻れるだろう。」

アニータ「1年も留守にするつもり?」

カルロス「半年で帰る。まあ任せとけ!」


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おっけっ!!@管理人

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